【第3話】恵みの学級閉鎖

中学受験リアルストーリー

5年生の10月に行われた公開学力テストの結果。

過去最低を記録し、気持ちを新たに次の公開学力テストこそはと意気込んだ矢先、体調を崩し、38度台の熱で寝込んでいた吾郎。

学校と塾を休むはめに。

体調を崩している間、塾の勉強を進めることができず、他の塾生から遅れをとってしまうのではないかいう不安感が押し寄せる。

体調を崩してから4日、体調も回復し、”巻き返さねば”と思っていると、うれしい連絡が。

私のスマートフォンが、学校から一通のメールを受信した。

『2日間の学級閉鎖』

クラスでインフルエンザが流行しており、明日から学校に行かそうとした矢先の『学級閉鎖』

この時、心の余裕が生まれた。

”これで、少しは、塾の遅れを取り戻せる”

学級閉鎖初日

学級閉鎖を受けて私も仕事を休んだ。

この二日間で、しっかりやり込むぞ!

”欠席した塾の授業を確認して、塾の宿題も早め早めに終わらせて、公開学力テストの対策をして・・・・・”

やりたいことがいっぱいある。

さー!やるぞと意気込む。

学級閉鎖初日、有意義に時間を使おうと吾郎を早く起こすことに。

午前7時起床!

朝にパンとヨーグルトを食べさせ、牛乳を飲ませる。

その間に、私は洗濯物を干し、塾の教材を準備し、準備万全。

吾郎の服を着替えさせて、”さあスタート” と思ったが・・・・・

明らかに眠たそう。。。

「あー、ねむ。」吾郎の口から発せられた言葉に考え込む。

”寝させるべきか、起きたばかりなのだから我慢して勉強をさせるべきか”

”明日も学級閉鎖である”という心の余裕と、”寝てもすぐに目が覚めるだろう”という希望にも似た観測によって、いったん寝かすことを選ぶ。

起きて集中して勉強に取り組むためにここで、しっかり寝させよと、布団まで用意し、寝かせた。

私が思っていたよりも早く寝息をかきはじめた吾郎。

”よし、よく眠っている” ”起きてからが勝負” とクラウチングスタートの態勢でピストル音を待つ。

30分、1時間、2時間・・・あれ、起きない。。。焦る母。

結局、午後0時半。

これ以上は無理だと感じ、お昼ご飯で起こした。

ここからお昼ご飯を食べ、午後1時過ぎ、結局、現時点で何もできていない。

少しあせる。

まだ、大丈夫と自分自身に言い聞かせ、吾郎の気持ちを盛り上げる。

「さあ、やろう」

ここから、ここから午後4時まで、なかなかの集中力。

結果的に、休んだ授業の学習、先週の塾の宿題、公開学力テストの対策。

充実感ある時間を過ごした。

学級閉鎖2日目

昨日の反省を生かし、この日は、自ら起きてくるまで、我慢。

朝のうちに家事を終わらす。

午前8時、ごそごそとリビングに入ってきて、そのままトイレへ。

トイレを済ませ、朝食を食べるいつもの椅子に座った吾郎。

いつも通り、パンとヨーグルトを食べ、さあスタートといきたいところだが、吾郎の食べるスピードが遅いこと遅いこと。

絶対何かしらの妄想をしているよねと思いながらも、気分を損ねてはいけないと思い、見守る。

午前9時、よーやく勉強スタート。

計算からスタートしたが、一問解いて、机にぐたーと倒れ込む。

なかなか気分が乗らないのが明らかに見て取れる。

こういう時にどうすべきか。

1、何も言わず待つ

2、さあ早くやろう

この二択で迷う。

まだ時間に余裕はあることから、「1」を選択。

どれくらいの時間が経っただろうか。

少なくとも、大量の洗濯物を外に干すだけの時間はあった。

「終わった」吾郎の言葉を聞き、次の勉強アイテムをすぐに出そうとする、自分の心にブレーキを掛ける。

吾郎のこの状態で、次、次に課題を出せば、序盤で心が折れるかもしれないと考えた私は、一呼吸置いた。

そこで彼の心のうちを読みながら、渾身の一言を発してみる。

「よーし、じゃあ、次、算数。一緒にやろっか」と問いかける。

「うん!」

この「うん」と言う吾郎からの返事をもらうために、彼に接待をするのだ。

一緒に算数を始めると、案外さくさく進んだ。

背中を押してあげると、スピードに乗って走り始めたのだ。

そのまま、理科、国語といい感じで進む。

あっと言う間の午前中であった。

自分に充実感が漂う。

昼食後、午後から少しご褒美のゲームタイム。

今日は、夜に塾もあることから、午後からは、復習テストのための確認と、午前中の直しをし、いざ塾へ。

行きの車の中でも上機嫌。

数日前の風邪を引いていた様子から想像できないくらい、元気な姿で、塾への入って行った。

恵みの学級閉鎖

学級閉鎖のおかげで、体調不良によって遅れた勉強は取り返すことができた。

神様が与えてくれた期間だった。

何より、学級閉鎖の間、吾郎がへそを曲げることなく勉強したことは、奇跡に近い。

だが忘れてはならない。

別に成績が上がった訳ではないと。

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