
【第24話】第二希望校の変更
吾郎は、夏休みが終わるころまで偏差値56の最難関を第2希望としていた。それは、最難関中学の一角でありながら、現在の吾郎の実力からすれば、合格が十分狙える偏差値帯だったからだ。浜学園も吾郎の実力でいえば十分、この中学校の合格は狙えるだろうと思っていただろう。だから、なんとなく、ずっと同校のプレ入試や、入試特訓を受講してきた。しかし、ここである日、ふと、”本当にこの学校を受験する方向で突き進んでいいのだろうか”と疑問が湧いたのだ。夫婦で「R校っていい学校だけど、通学しづらいない?」という思いをなんとなく抱いていて、通学が遠いからできれば通学させたくはないと夫婦ともども思っていた。