11月、浜学園で月に一回行われる公開学力テスト。
ここで、初めて最高レベル特訓算数の権利を得た吾郎。
すぐに授業に参加できると思いきや、12月からのスタートであった。
さて12月に最高レベル特訓算数をスタートしたものの、1度や2度の授業を受けただけで、12月の公開学力テストがやってきた。
期待と不安のテスト前
最高レベル特訓算数を受ければ、成績は徐々に上がってくるだろうと予想している吾郎の親。
しかし、12月から最高レベル特訓算数の授業を受け始めたところで、すぐに偏差値が上がってこないだろうという大方の予想はできる。
ただ、親として心の奥底で、どこか物凄い良い成績を出してくれるんではないだろうかと期待もしてしまう。
そんな中、12月の第2日曜日、公開学力テストの日を迎えた。
試験は午後から。
午前中に、最高レベル特訓算数の問題をこなす。
同時に、先月、理科の成績を大幅に上げようとしたサイエンス大作戦の時に作成した、理科のノートをもう一度確認する。
二人で、今回の理科の予想する。
吾郎「今回何出そう」
私「う~ん、ばねとか、電気回路とか出てきそう」
吾郎「電気回路苦手」
私「・・・・・・」
不安にさせることを言う。
今さら電気回路をやったところで、頭に入らないだろう。
とりあえず、今までやってきた、化学を重点的にやった。
午前11時ころ、テストに向けて早めの昼食。
冷蔵庫にあった残り物を適当に食べた。
そして、お昼ご飯後は、恒例の床でゴロゴロ。
彼なりの集中力を高めるルーティーンなのかもしれないが、親からすると、”直前まで、理科の暗記テキスト見ろよ”と怒りたくなる。
しかし、怒らない。
吾郎の機嫌を損ねる恐れがあるからだ。
それこそ吾郎がテストに挑むにあたって、マイナスに作用するからだ。
という訳で、出発時間がくるまで待った。
そうこうしているうちに、出発時間。
最後の忘れ物がないか確認し、いつものリュックを背負い出発だ。
車の中ではいつも通り妄想。
これも恒例となっている。
テストの15分くらいまえに着いた。
「トイレ行って試験受けるんやで」
私が言うと「わかってる」と言いながら建物の中へ入って行った。
手ごたえ分からぬ公開テスト後
吾郎は社会をとっていないため、3科目で2時間の試験だ。
吾郎が建物に入って行った約2時間半後、吾郎が車に向かって走ってきた。
車に乗り込む前に目が合い、しかめっつらをしながら車に乗り込む。
「理科しんだ」
吾郎の第一声だ。
私からすぐに出た言葉が
「なんで」
という、ざっくりとした質問だ。
この言葉の中には”これまで理科は結構時間をかけて対策してきたのに”という残念な思いも混じっている。
吾郎は言った。
「時間がなかったんやって。しかも大問1から全然分からんかったし」
私は、これを聞いて大問1は、植物が出る傾向が多く暗記ものが多いため、単なる勉強不足か、と思った。
続いて「算数は?国語は?」と聞くと、「算数は過去一手ごたえあるわ、国語はまあまあ」とそれぞれの教科に対する手ごたえを話す。
先月の公開学力テストよりは結果は落ちそうだなと率直に思った。
家に帰ってからは、ゲームを始める。
これも公開学力テスト後のルーティーンとなっている。
とりあえず、お疲れ様と言葉に出さず、心の中で思った。
公開学力テスト結果発表
公開学力テストを受けた次の水曜日。
いつも通り結果発表だ。
私がひそかに浜学園のマイページを開くと、『国語 偏差値48』が目に飛び込んできた。
55くらいあってほしいなと思っていたが、現実そんなに甘くはない。
この時点で「はあ~」と小さくため息をついた。
ため息をつきながら、下の段に目を移すと「算数 偏差値58」
「お」と声を上げた。
”ちょっと待て、平均とか得点が58と見間違えてないか」と自分に言い聞かせ、成績表の列と数字をきちんと読み取る。
間違いない偏差値が58だ。
最高レベル特訓算数の受講資格を得た前回よりも、成績がアップしているのだ。
予想外だった。
素直に「よし」と喜んだ。
さらに下に目を向けると「理科 偏差値67」
”偏差値67????”
吾郎が理科はできなかったと言っていたために、何か間違えているのではないかと、本気で疑った。
が、間違いなく偏差値が67だ。
「よし」と思わず叫んだ。
この日も塾があった吾郎。
塾終わりに成績を確認し、「ウオー」と雄たけびをあげる。
テンションが上がらないわけがない。
まくしたてるように「天才」「すごい」と自画自賛を連発。
家に帰るなり喜びの舞まで飛び出した。
まさに予想外の結果の良さに家族みんなが盛り上がった。
いよいよ”Vクラスへの挑戦権を手にした”ような気分だ。
10月に過去最低の公開学力テストの結果を出し、涙した吾郎。
その姿にはもう戻りたくはない。


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