10月の公開学力テストの結果を見た吾郎は涙した。
その姿を見て、親として何ができるか。
そこで考えたのが「理科の点数を伸ばす」だ。
前回の公開学力テストで理科は偏差値55くらい。
これをもっと上の偏差値60を越えさせよう。という目論見だ。
目標は、算数の特別講習の受講資格を得ること。
算数だけで偏差値60近く取れればいいのだが、なかなか一気に点数を上げることは難しい。
そのため、理科を含めたトータルで偏差値60近くを取り、受講資格を得ようという作戦だ。
理科に絞った理由は「穴場」と考えたから。
中学受験生はみんな算数は国語は重点的に勉強するが、理科は後回しにするだろう。
そういった考えから理科の飛躍的点数アップを狙う。
敵(浜学園)の分析
まずは、これまで受講した、公開学力テストの理科のテスト分析。
5年生になってからの公開学力テストの結果が書かれた成績帳票を取り出してきた。
成績帳票には、本人の得点や偏差値、平均点や各問題の正答率など細かく書かれている。
この成績帳票を使って、理科だけの成績にポイントを絞り、しらめっこを始めた。
が、劇的に何か「これをやれば次回の点数アップ間違いなし」というものは、見つかるわけがない。
せいぜい、先月出題された単元において、2回連続で出題される可能性は低いというくらいの、当然と言えば当然の発見があったくらいだ。
次回の出題単元を当ててやろうと思ったが、なかなか的を絞らせない出題の仕方をしてくる。
こんなに毎回違う問題を考えてテストを作る塾の先生はすごいなと感嘆する。
そんな思いを抱きながら、次回の出題される単元を予想するのはやめ、吾郎がもっと点数を伸ばせるところはないかと違った目線で成績帳票を見てみる。
すると、あることに気が付いた。
公開学力テストは、大きく分けて、生物、地学、物理、化学と4分野からバランスよく出題されている。
その分野の中で、勉強すればもっと点数を伸ばせるのはではないかと私が考えたのが、化学と物理だ。
暗記ではなく計算で
吾郎の回答案を見ると、化学や物理の計算で点数を落としていることが分かった。
計算間違いではなく、計算のやり方すら分かっていない感じだ。
暗記問題とは違い、化学や物理の計算問題は、計算のルールさえ知っていれば解けそうな問題が多い。
そして、化学や物理は、出題の問題のされ方が多少違えど、そのルールに則って計算をすれば答えを身引き出せるケースが多い。
算数のように複雑な計算をする必要もない。
動植物や、地学は知らなければ書けないが、計算は、ルールさえ知っていればある程度は正解できる。(そんなに甘くはないのだろうが)
公開学力テストの難問と言われる正答率が低い問題でさえ、ルールを覚えていれば、数字を当てはめさえすれば、答えを出すことができる。
私は、「ここが穴場だ」と何か、誰も知らない景色の良い場所を見つけたかのような気分だった。
その中で、吾郎のやる気をアップさせるべく、前回の出題から期間が空いているという理由だけで「化学反応の「酸素」と物理の「電気回路」が出る」と吾郎に伝えることにした。
化学と物理が出ると伝えるより、もっと絞った方が吾郎のやる気は出ると思ったからだ。
その日の吾郎の帰宅を首を長くして待った。
サイエンス作戦
吾郎が学校から帰ってきた。
”ガチャ”と玄関の開く音とともに「ただいまー」という吾郎の声が聞こえた。
体操服が入った袋を振り回しながら、部屋に入ってくる。
体操服の袋を投げ捨て、ランドセルを床に置き、お菓子が入っているカゴをあさる。
いつものルーティーン。
私は分析結果の信用性の裏付けとして、あえて過去の成績帳票を机の上に出しっぱなしにしていた。
吾郎に対して”これだけがんばって分析したんだぞ”という無言のメッセージを伝えたかったからだ。
その吾郎に向かって、「次理科で出るとこ分かったわ」と言うと、「え、マジ!」と反応。
予想通り、食いついてきた。
ちゃっかりとお菓子を一つ手に取り、リビングの椅子に座り「どこなん?」と聞いてきた。
私は「酸素」と「電気回路」と予想したことを吾郎に伝えた。
また、理科を得点源として、暗記プリントを寝る前に必ずやることを約束し、土日に化学と物理の問題を解くことに決めた。
子どもの涙を次回の公開学力テストに向け、何をすべきか。
理科の得点を最大まで高める『サイエンス大作戦』の始まりだ。


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