【第17話】吹き荒れた嵐 母の怒り爆発

中学受験

その日は浜学園がない日であった。

親としては、こういった日に少しでも勉強を進めて欲しいと思う日だ。

この日は、親が家におらず、学校から帰った吾郎は一人で勉強を進めなくてはならない。

私は用事があったため、夕方頃に帰宅予定。

吾郎は一人になると、YouTube動画やゲームをする癖があり、それをこの日も心配する。

以前も吾郎はこそこそとYouTubeを見ていたことがあり、その後、勝手に見ないと約束した。

志望校に合格したいと言う吾郎の言葉を信じ、吾郎が一人の日にYouTubeを見ていたことがばれた後も、吾郎を信じてiPadを机の上に置いていって出かけていた。

できれば、iPadを机の上に出しておきたくはないが、やはり、連絡手段として置いておかないと心配であるため、吾郎の言葉を信じ、この日もiPadを机の上に置き私は出かけた。

母・恐怖の帰宅

用事を終え帰宅するさい、家のiPadに「今から帰るよ」とLineを送る。

すぐに返事が返ってきた。

吾郎「わーい」。

”返信が早すぎる。”

私は嫌な予感がした。

吾郎は以前、一人で家にいる時にゲームをしすぎて怒られたことがある。

またゲームを禁止した後も家のiPadを使ってYouTubeを長時間見ていたこともある。

このことに関して、私は以前「受かりたいってのは口だけか!」と吾郎を怒ったことがあるが、”もしや、またもやゲームかYouTubeを見ているのではないだろうか”と疑わずにはいられない。

ただ、心のどこかで、我が子を信じてやれというもう一人の自分がいた。

そして、帰宅し、玄関を開けリビングのドアを開けると、そこには吾郎が立っていた。

怒りの爆発

私は帰宅するなり、iPadで何時間動画を視聴していたのか確認した。

そこには衝撃的な数字が表示されていた。

『2時間30分』

吾郎が学校から帰ってきた時間が午後3時すぎ、そして私が家に帰ってきたのが午後5時過ぎ。

その間、ほぼほぼYouTubeを見ていることになる。

しかも学校から帰ってきてYouTubeを見ていたにしても、視聴時間が長すぎる。

吾郎は、小学校に行く前の一人の時間を見計らってYouTubeを見ていたのだ。

「そんなにYouTube見たいんなら、ずっと見てろ」

「勉強なんかすんな」

私は怒りで震えていた。

結局、吾郎は口先だけの男だったのかと。

ルールを守らないこと、約束を破ったこと、そして何よりも、こっそりと隠れてYouTubeを見ていることが私の逆鱗に触れた。

収まらない怒り

吾郎は「がまんできなかった」と話す。

だから何だというのだ。

私の怒りは収まらない。

「もう勝手にしろ」

と言い突き放す。

この状況で、吾郎はYouTubeを見れるわけもなく、おもむろに塾の宿題を始めた。

私は、この日は吾郎と話す気にもならなかった。

この重苦しい状況で、私の怒りが渦巻く中、いくつかの約束をした。

新たなルール

吾郎と話し合いもなく、一方的にルールを策定した。

  1. 家にいる時は、iPadや携帯含め、触ることも禁止
  2. iPadを見る時は親の許可を取り、親の前で見ること
  3. 次同じようなことをしたら受験を辞めること

このことを、怒りながら吾郎に伝えた。

親の焦り

こうして、嵐が吹き荒れた一日。

何日か後に公開学力テストの結果が出たが、今年度では一番悪い成績であった。

吾郎は、これまでも、こそこそYouTubeを見ていたらしい。

その結果が如実に表れた結果だ。

吾郎は、油断をしたら成績がすぐに下がる。

逆にやる気を出して、集中して挑めば、一気に成績を上げることも。

非常に浮き沈みが激しい。

受験を辞めると怒りで言い放った私であるが、もはやここまで来て【撤退】の二文字はうちにはない。

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