【第22話】浜学園 7冠特訓に挑戦

中学受験リアルストーリー

夏の実力試し

7月下旬。

浜学園恒例の7冠特訓に挑みに行った。

7冠特訓とは、関西の最難関中学として挙げられる「灘中学」「東大寺学園中学」「洛南中学」「西大和学園中学」「甲陽学院中学」「大阪星光学院中学」「洛星中学」の7校に関して、各校の配点基準に合わせ、どの学校が合格できるかを判定する、模試である。

この中に吾郎が目指す学校がある。

夏期講習で忙しい中7冠特訓へ挑む。

電車で約1時間半かかる会場へと向かう道中で吾郎は、「合格できるかな」と不安がっていた。

私も、最近の吾郎の公開学力テストの偏差値を思いながら、一つも合格できない可能性は高いと思っていた。

だから、全て落ちた時のことを考えて「まあ、入試まであと半年以上あるし」と落ちることを前提とした声掛けをしてしまう。

親も弱気だ。

吾郎がテスト後、すべて落ちていた場合を考えショックを受けないようにと考えた言葉だった。

吾郎が浜学園に入って行く後ろ姿を見て、私は、午後6時頃までテストを受ける我が子を想像し、そこでもし、結果が出なかったらと想像してしまうと、子どもがみじめな思いをしないだろうかと、とてつもなく心配してしまう。

私は、子どもが頑張っている間、韓国ドラマを見て時間をつぶした。

トップレベルとの差

午後6時ころ、浜学園に迎えに行く。

多くの保護者が浜学園出入口で、我が子を待ち構えていた。

終了時間が過ぎ、ポツポツと教室から出てくる子供たち。

大きな塊で浜学園から出てきた子供たちの輪の中に、吾郎はいた。

私が手を上げると、吾郎は気づいた。

吾郎は私に近づくなり「洛星は受かった」と少しほっとした様子で伝えてきた。

私は全て落ちる可能性もあった中で、一つ合格したことにほっとした。

しかし 周りの子たちは4つ、5つと合格をもらってきているようで、吾郎はどうしても友達と比べてしまい、この結果に物足りなさを感じている様子だった。

吾郎のテストの結果は、算数がとても悪かった。

算数18点

今回の7冠特訓を始め、吾郎は各学校の入試練習や特訓テストを受けてきたが、総じて吾郎は算数の点数が取れていない。

公開学力テストでは偏差値 50台後半はあるのだが、入試練習や 特訓となると算数がかなり悪くなる。

公開学力テストの偏差値と入試練習との結果にギャップがあるように思う。

ただ、この時点でまだ入試まで半年あり、算数は後半になって伸びてくるという話を聞くので、吾郎はまだここから伸びてくるのだろうと思い、私は楽観的に考えていた。

だから吾郎の後半の伸びを信じて目標を変えることはしなかった。

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