【第20話】浜学園 夏期講習と日曜志望校別特訓(Mコースの資格取得に向けて)

中学受験リアルストーリー

運命の公開テスト

夏休みが始まる前のある日。塾から帰ってきた吾郎のリュックの中から、一枚のプリントが出てきた。
それは、夏期講習の案内だった。

吾郎が目指すのは、最難関中学。
そのためには、夏期講習でも上位クラスにいなければならないと考えていた。

浜学園の夏期講習には「Mコース」という、最難関中学を狙うための講座がある。
最難関校を目指す吾郎にとって、この講座の受講は必要不可欠だった。

この講座を受講するには、偏差値56が必要。
6月・7月の公開テスト、または6月の合否判定テストの結果で基準を満たさなければならない。

親としても、吾郎が目指す中学に合格するためにはMコースが必須だと考えていた。
しかし、吾郎の心の奥底には、少し違う思いがあったようだ。

吾郎は6年生になってからVクラスに在籍している。
クラスの大半の生徒は、当然のようにMコースを受講するだろう。

もし、自分だけMコースに入れなかったら──
「Vクラスなのに、Mコースじゃないんだ」と思われるのが嫌だった。

子ども心としては当然のことだった。

6月の公開テストの偏差値は平均54。
合否判定模試は55。

あと2ポイント足りない。
追い詰められた状況だった。

さらに、ここからは日曜志望校別特訓のクラス分けも絡んでくる。
吾郎が受講したいクラスの基準も偏差値56。
7月の公開テストで、なんとしても基準を突破しなければならない。

だが、吾郎は苦戦していた。
Vクラスの算数の復習テストの点数が伸びず、算数の宿題に多くの時間を費やしていた。
そのせいで、公開テストの対策に手が回らなかった。

結局、公開テストの対策という対策は一切できずじまい。

通常授業に追われる日々の中、迎えた7月第2日曜日。
運命の公開テスト。

「得意な単元が出ますように」と、親子そろって祈った。

テスト終了後、自己採点。
悪くはない。

だが、まだ結果は分からない。

基準クリアなるも・・・・

公開テストの結果発表が行われる水曜日の夜。

リビングにiPadを持ち寄り、浜学園のサイトにログイン。
家族全員が、わくわくと緊張が入り混じる気持ちで「成績閲覧」のボタンを押した。

その瞬間──

「58」という数字が目に飛び込んできた。

「やった!」

そう思った次の瞬間、吾郎がiPadを持って部屋の片隅へ走り去った。
まずは、自分自身でしっかりと確認するためだ。

吾郎は、自分以外の誰かが先に成績を見るのを嫌う。
この時も、誰にも見せないようにiPadを持ち、部屋の隅へと急いだ。

だが、つい私は強い口調で言ってしまった。

「おい!見えんやんか!」

偏差値58と見えた気がしたが、確信が持てないまま吾郎がiPadを持って行ってしまった。
その苛立ちが、思わず言葉に出てしまったのだ。

すると──

吾郎は、ぽろぽろと涙をこぼした。

「なんで自分の成績を先に見たらあかんのよ……」

そう言って、iPadを差し出した。

画面には、確かに偏差値58の数字があった。
基準の56を、しっかりと超えていた。

「よかった!」

だが、吾郎の涙は止まらなかった。
その後も拗ねてしまい、その日は一日中機嫌が直らなかった。

受講資格をクリアし、本来なら喜ばしいはずの日。
しかし、後味の悪い結果発表日となってしまった──。

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